コレステロール吸収阻害薬
ゼチーア錠
コレステロールの吸収を阻害する薬であるゼチーアは、新しいタイプのコレステロール低下薬で「小腸コレステロールトランスポーター阻害薬」と呼ばれています。主にコレステロール値を下げますが、併せて中性脂肪の低下作用も持ち合わせていて、海外でも広く使用されている薬です。
ゼチーアは、小腸でのコレステロールの吸収を抑えていわゆる悪玉コレステロールが減る一方で、善玉コレステロールを増加させます。血液中のコレステロールを低下させていれば、後年、心筋梗塞など心血管系疾患の危険性を少なくできます。
ゼチーアは腸肝を循環して小腸局所で長時間作用するので、１日１回の服用でも充分効果が持続します。陰イオン交換樹脂製剤に比べると錠剤も小さくて飲みやすいのが特徴です。
又、胆汁酸の排出に悪い影響を与えませんから、脂溶性ビタミンや併用薬の吸収を阻害することがありません。
更に、グルクロン酸抱合で代謝され、薬物代謝酵素（ＣＹＰ）と関係ないので、薬物間相互作用が少ないのもいい点です。
臨床試験では、単独服用でLDLコレステロールが約18%低下させることが判明しており、又、スタチン系コレステロール低下薬で効果不十分な症例の場合にこれを併用することで、LDLコレステロールを更に約25％低下させる結果も得ています。